寒い日は「骨湯」をのんでしみじみする
クロソイを煮つける
カサゴ目の魚は、良い出汁がでるものが多い。カサゴ、メバル、ホウボウ、コチ、カジカ、など、どれも出汁が美味い。カサゴ目の魚の出汁は、クセがなくスッキリしてるけど分厚いコクのある。このコクは水溶性タンパクが多いことによるんじゃないだろうか?シンプルに潮汁でも美味いし、クリーム系ソースのベースにしても美味い。
クロソイもカサゴ目の魚で、うまい出汁がとれる。この美味い出汁を余すところなく味わうべく煮魚にした。しょっぱくて甘ーいやつ。煮汁だけでご飯が何杯でもいけちゃう。
煮魚を食べ終わったら「骨湯」だ
僕は「食材を残さず全部食べれば成仏する」という考え方が嫌いだ。昔から無性に嫌だった。僕がもし、突然拉致されて窒息死させられたら、全部食べられたとしても成仏なんてするまい。魚の立場からすればそういうことだ。だから、僕が食べた魚は成仏してない。たとえ、きれいに残さず食べても、あるいは食べずに捨ててしまったとしてもだ。
さて、煮魚を食べ終わったら、残った骨をとっておくといい。お湯をかけて飲もう。「骨湯」だ。骨に残った出汁や、こびりついてる肉や煮汁をお湯をかけることで味わうことができる。この薄味の骨湯が食事の締めにいい。
ちなみに「骨湯」には、焼き魚の骨を使ってもいいし、お湯じゃないくて熱燗を注いでもいい。
今回は少しご飯を入れて骨湯にした。それに刻んだ柚子の皮とネギを散らした。
やはり骨湯にはしみじみとした美味しさがある。美味しい骨を残すのはもったいない。
僕は食欲に忠実に生きている。僕の背中にはクロソイの霊がとりついて呪っているかも知れない。
さておき、冷蔵庫の魚が尽きた。次の土曜日に市場行くのが楽しみだ!
(おまけ)煮つけの作り方
下ごしらえ
- 皮に切れ目をいれて煮汁がからみやすくする。
- うすく塩を振って30分くらい室温で放置する。
- 切り身を水洗いして塩を落としたのち、80℃くらいの熱湯をかける。
- 湯をかけた切り身を水洗いする。とくに皮の表面に残った鱗や粘液をきちんと落とす。
煮汁
- 魚が完全に浸る量の煮汁を作る。
- 昆布出汁、濃口醤油、みりん、砂糖で味をつける。煮詰めた後で調えるので薄めでいい。
煮る
- 魚を入れた煮汁を火にかけ、80℃くらいで20分ほど煮る。
- 魚を取り出し、煮汁を煮詰める。
- 好みの濃さに煮詰まったら、日本酒、みりんで香りと照りをつける。
- ごく少量の酢をいれてキレを出す。
- 好みで生姜の絞り汁を加える。
- 強火で熱しながら、魚を鍋にもどし、煮汁を絡めたら完成!