ホウボウの浮き袋の湯引き

僕は土曜日に市場に行く。平日は会社だし、日曜は休市日だからだ。土曜日は燃えるゴミの日でもある。その週に食べる魚を捌いて、内臓を出しておかないと水曜日まで捨てられなくなる。ゴミ収集車が来るまでが勝負だ。でも、急いでいるからって内臓を全部捨ててはもったいない。美味しい部位は取り分けておきたい。新鮮な魚の内臓を食べられるのは、魚を捌く者の特権だ。内臓が好きだ!
というわけで、土曜日は内臓の日です。

浮き袋とは?


ホウボウは大きな浮き袋を持っている。浮き袋は、ガスを溜めることで浮力を調整する器官だ。進化的には、消化管の一部が変形してできたものだ。多くの魚では、浮き袋が消化管から切り離されており、ガス腺を通じて血管から浮き袋内へガスを取り出している。
ホウボウは特に大きな浮き袋を持っており、お腹をあけるとひときわ目立つ。ホウボウを買ってきたら、浮き袋もぜひ食べておきたい。

作り方

  • 浮き袋(↓これ)を取り出して開く。

  

  • 80℃くらいの塩水でゆがく。表面に火が通って中はレアにしたい。(↓ゆがいた浮き袋)

  

  • 冷水で表面の血管を洗い落とす。
  • 適当な大きさに切り、ポン酢などをかけて食べる。

  

味はホウボウの身と同じで淡白だが、身よりも脂がなくさっぱりとしている。
表面はクニクニしたコラーゲン質で、中はホロホロとした細かい筋繊維質の食感。なんといっても、この食感が魅力。ひと手間かけても食べたいと思える美味しさだ。なにしろ浮き袋は外食じゃあ滅多に食べれないしね。