魚も畜肉みたいに色んな切り方で売られればいいのに。

丸ごとの魚を捌ける人が少ない。
そんな昨今では、スーパーで切り身の魚がたくさん売られている。
切り身を買えば、自分で捌けない人でも簡単に魚料理が作れる。
そして、ますます魚を捌く必要はなくなり、捌ける人が減っていく。


そんな状況について友人と話した。
彼は「魚を捌くという文化が廃れるのがさびしい」と言っていた。
僕もそう思う。でも、仕方のないことだとも思う。
僕は魚を捌くことは面白くて大好きだが、そんな人はあんまりいない。
面白さを感じられない人にとっては、面倒だし、臭うし、汚れるし、進んでやりたい行為ではなかろう。


魚に限らず、「捌く」ということが廃れているのだ。
牛・豚・鶏を自分で捌く人は、魚を捌く人以上に少ないだろう。
野菜すら自分で切らない人だっているぐらいだ。
もういっそ、魚を家庭で捌いてもらうことなど、望まない方がいいのかもしれない。


だからこそ、切り身魚が気になる。
魚はどれも似たような大きさ・形の切り身で売られている。(刺身用は除く)
他方、畜肉は薄切り・ミンチ・角切り、など様々な形態で売られている。
なぜなら畜肉は形態ごとに多様な料理が確立されていているからだ。
しかし、魚は切り身を焼く、煮るといった料理しか普及していない。
だから魚は画一的な切り身にされるのだろう。


でも見方を変えれば、魚が切り身でしか売られないから、
焼く、煮るといった料理しか普及していないのかもしれない。
スーパーの売り場で、ひき肉をみたら「今日はハンバーグを作ろう」と思うように、
魚のミンチを見たら「今日はさんが焼きを作ろう!」と思うのではないか?
魚の薄切りを見たら「野菜と炒めたら美味いかも!」と思うのではないか?*1


僕は魚の美味しさをもっとたくさんの人に知ってほしいから、
魚は、切り身だけじゃなく、薄切りやミンチ、さまざまな形態で売られてほしい。
食品開発者として、お客様やお店に料理法から提案して普及させられる製品を作らなきゃいけない。コストダウンばっかりやってる場合じゃねーよなぁ。

*1:実際、お勧めの食べ方だ。