タバコを吸っても味覚は衰えない?

タバコを吸うと味覚が衰える、という話をしばしば耳にする。
だけど、私にはとても信じられない。
休憩時間に喫煙所に入り浸ってるおっさんが実に的確な味覚を持っている。
長年吸い続けてるはずなのに、味がわからない素振りも見せない。
承認もらえるだろう、と思った僕の試作品がボツになったので、
タバコ吸いたちがなぜ微妙な味の差を認知し、的確な指摘をできるのかを考察を試みたい。*1


■仮説1:タバコは味覚に影響するが、味覚を衰えさせるわけではない。
タバコのような味の強いものならば味覚に影響するのは間違いないと思う。
タバコを吸って日が浅い、もしくはタバコを吸わなかった頃の食の記憶がはっきり残ってる人は、
以前と食べ物の味が変わったことで、味覚が衰えたと感じるのではないだろうか?
僕の職場のタバコ吸いたちは、タバコを吸って変わった味覚で食品開発の仕事を覚えたので、
10年20年たった今でも同じ基準で食味を評価できるのではないだろうか?


■仮説2:味覚は衰えているが、経験的にわずかな味の差を見逃さなければ味の違いがわかる。
食品開発をしていると、普通に味わうのと違って、たくさんの味を探しながら食べることになる。
ベテランの人は、普通なら見逃してしまうような僅かな差も見逃さなくなってくるようだ。
タバコ吸いたちは、味の違いを大きく感じることはできなくなっているが、
ごくわずかな差も見逃さず的確に指摘できるのではないだろうか?


■仮説3:味覚の衰えは訓練を重ねていれば食い止められる。
年齢によって味覚が衰えるのは、学問的にはっきりしている。
長年タバコを吸おうが吸うまいが、普通に年をとるので、相応に味覚が衰える。
タバコを吸う人は、年齢による衰えを煙草によるものと感じているだけかも知れない。
あるいは、本当にタバコが味覚を衰えさせているのかも知れない。
しかし、食品開発のタバコ吸いたちは、日々訓練を重ねているので味覚が衰えていないのではないか?
たとえば脳トレみたいに。


■まとめ
この3つが複合的に起こっているので、
 ・世間一般では「タバコは味覚を衰えさせる」と信じられているのに、
 ・「食品開発をしているタバコ吸いのおっさんらの味覚は衰えていない(ように見える)」
という状況が生じていると思う。


だから、タバコを吸う人でも味覚を衰えさせたくなければ、
他の人よりも味の微妙な違いを意識しながら食べれば、味の衰えはマシになるかもしれない。
逆にタバコを吸わない私も、年齢による衰えはあるのだから、油断しないようにせねば。

追記

id:kotorikotoriko どれが大きいっていうと2かなー。僕はタバコ吸って味覚が衰えちゃったけど。

喫煙者の実感としては、2が大きいのか。
たばこ吸う人が少なくなってるから、若者向けの食品は今までより薄味でも良いのかも知れない。

1が大きいなら、煙草に合う食品の開発なんてのが面白いかな、とか思ってたけど。
葉巻とポートワインみたいに。

*1:といっても、数年来タバコを吸わないのでヘビースモーカーの味覚を体験できないが。