【旬】美味い魚を食べる上での基礎知識1

「今、何の魚が旬なの?」
って、会社でよく聞かれる。特に、そんなに親しくない人が話題づくりとして聞いてくる。
「アジが良いですよー。」とか「殻つきのトリガイがまだあるかもー。」とか答えたりしている。
それはともかく、しばしば感じるのは「旬」という言葉のあいまいさだ。混乱している人をよく見受ける。
「旬」をきちんと理解せねば、「旬の魚」を知ることはできまい。
そこで、旬について定義を整理しておく。

■「旬」には3つの定義がある。*1
以下に勝手に定義する。

1)栄養が増える「旬」
 例)「サンマは秋になると脂が乗って美味しいよ」
  ある栄養成分が増加する時期のこと。生化学的「旬」。

2)たくさん獲れる「旬」
 例)「春はマダイの漁獲量が増える。
  産卵や回遊の都合でたくさん取れる時期。生理・生態学的「旬」。

3)なんかテンションが上がる「旬」
 例)「土用の丑の日はやっぱりウナギを食べないと。
  祝いや暦などで特定の食べ物が珍重される時期。文化的「旬」。

■3つの「旬」が重ならないこともある。

例えば、マダイについて3つの旬を考える。

 1)マダイは産卵に向けて脂肪を蓄える1月頃が最も美味しいとされる。
 2)マダイは3、4月頃に岸近くまでやってくる。そのため漁獲されやすくなる。
 3)春には桜鯛、秋には紅葉鯛、といってマダイの美しいピンク〜赤色が珍重される。


  野菜や果物は1)〜3)が全て一致していることが多いが、魚の場合ずれていることも多い。
  このことが「魚の旬」を理解する上で混乱を招く原因になっている。

続く(予定)

*1:個人的な定義です。