製造業は「日本=ブイヨン」「欧米=ダシ」

■日本の製造業は「ブイヨン」で、欧米の製造業は「合わせダシ」


「ブイヨン」は野菜、肉、骨などを数時間かけてじっくりと煮出す。
各料理店が多数の材料を風味が統合されるように作り上げてブイヨンができる。
まさに、日本の製造業が得意な「インテグラル型」のものづくりだ。
また、「ブイヨン」では足りない味があれば、どんどん材料を足していく。
何でも作る日本の家電メーカーのような思想だ。


他方、「合わせダシ」は昆布や鰹節などを使って取る。
ブイヨンに比べて、材料が少なく、手間と時間がかからない。*1
昆布も鰹節も専門の職人が手間と時間をかけている各料理店に共通の材料だ。
欧米の製造業が得意な「モジュール型」のものづくりと言える。
また、「合わせダシ」では、足りない味があれば、その他の雑味を除いて、求める風味を際立たせる。
選択と集中」という考え方に似ている。


日本と欧米の製造業の特徴と、それぞれの地域の出汁の思想が逆転しているのだろうか?
インテグラルなものづくりが日本人に適している*2、というけれど
出汁をみれば疑問に思える。


日本の製造業は、和食のダシの取り方に学ぶと、視点が広がるんじゃなかろうか?

*1:というと、口うるさい乾物屋のおっさんに叱られそうだ。

*2:藤本隆宏『[http://www.amazon.co.jp/%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E7%B5%8C%E5%96%B6%E5%AD%A6%E2%80%95%E8%A3%BD%E9%80%A0%E6%A5%AD%E3%82%92%E8%B6%85%E3%81%88%E3%82%8B%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%80%9D%E6%83%B3-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-293-%E8%97%A4%E6%9C%AC-%E9%9A%86%E5%AE%8F/dp/4334033938:title=ものづくり経営学]』