虫おせちを食べてきた。

好奇心というのは厄介なものだ。
食べたことのないものがあって、それを「美味いかもしれない」などと思い始めると、そればかり考えてしまう。食べずにはいられなくなる。

僕の心をとらえたのは昆虫だった。これは厄介だ。そこいらで売ってないし、捕まえてきても家のキッチンで料理しようものなら離婚の危機だ。だからといって食べずに済ますことなどできない。だって美味しいかもしれないのだから。あー厄介だ。

というわけで、昆虫料理研究家の内山先生のイベント「昆虫食のひるべ18:虫おせちを作りましょう」に行ってきた。食べたのは次の料理だ。

  • アルゼンチンモリゴキブリの田作り

  • マダガスカルゴキブリのなます

  • 蜂の子きんとん

  • サクラケムシとカイコ包みいそべ餅
  • 虫せんべい(お土産)


「虫は美味いか」と言えばそれなりに美味い。ただし、魚介類と比べたら僕は魚介類を食べたい、もっと美味いから。
だけど、独特の風味があって食べる価値は十分にある。サクラケムシは桜の葉の香り、タガメは洋ナシの香り、というのがすごく面白かった。アルゴキとマダゴキは、ナッツのような香ばしくて甘い香りがあって美味しかった。他の食材では味わえない風味だ。

何よりも良かったのは、内山先生は昆虫料理を美味しいものとして普及させようとしていることが感じられたことだ。「ゲテモノ」として扱って「ワー!キャー!」言うのではなく、普通の食材として扱っていた。これには感動を覚えた。昆虫料理を本気で普及させようとしている人がいるのだ。それに比べたら「日本人の魚離れを食い止める」とか「世界に日本の魚料理を普及させる」なんて、ずいぶん容易に思える。まして仕事で抱えてる課題のあれやこれやなんてド楽勝じゃないか?

素晴らしい体験だった。でも、まだ僕は旬の昆虫を食べてない。暖かくなったら捕獲して食べるイベントに参加したい。とても楽しそうだし、一番おいしい状態の昆虫を食べないことには、厄介事は解消できそうもないから。


おまけ


日本のサブカルチャーを海外に紹介するサイトの中の人が来ていた。
The Joys of Cooking... With Insects(Part I)
The Joys of Cooking... With Insects(Part II)
昆虫食はサブカルチャーなのだろうか?

追記


内山先生の本を紹介するのを忘れてました。
先生は「書店で料理本のコーナーに置かれると恥ずかしい」とのことでしたが、僕んちでは料理本のコーナーにばっちり置かせてもらってます。